研究成果
第48回
日本看護研究学会 交流集会
2022年8月27日、愛媛県松山市で開催された日本看護研究学会 第48回学術集会で『低位前方切除症候群(LARS; Low Anterior Resection Syndrome)を知っていますか?』と題して交流集会を行い、研究グループの3名が発表しました。
発表資料
以下はスライド資料です。
交流集会に参加いただいた方のアンケート結果
回答数: 15人


ご感想やご意見などありましたら、ご記入ください。
- 患者のQOL向上のために欠かせない研究だと思います。
- 普段LARSの患者様と関わる機会がないため、とても興味深かったです。排泄はどの患者様も気にされる項目だと思うので、排便コントロールに着眼して関わっていこうと思いました。ありがとうございました。
- 術後の入院中には解決できない排便障害に対して、外来での看護が大事だと考えました。ありがとうございました。
- 臨床の現場でも低位前方切除し、一時ストーマも閉鎖した直後から頻便に悩まされ、病棟でも夜中トイレに行かれている姿も見ています。予防方法を今回知ることができてよかったと思いました。もし、既に排便障害に悩まされてる人に対する看護師としてのアプローチ方法でいいものがあれば教えていただきたいです。
- 骨盤底筋体操が効果的ということが分かり、今後に役立てたいと思いました。
- 骨盤底筋体操はいつから開始すればより効果的なのか疑問に思いました。
- 骨盤底筋群の運動が有効とのことでしたが、LARなどでは高齢患者が増えており、認知機能の低下などから効果的なリハビリを行えているのかの評価も難しいと感じました。EMSなどによるリハビリなど、今後は有効なのかなど、考えるきっかけになりました。ありがとうございました。
- 多職種連携できる看護ケアモデル構築を期待しております。
- 苦しんでいる方が多いと予想されますが、医師、看護師、OT、PT、薬剤師、栄養士、検査技士、社会福祉士など協働で取り組む事案だと思いました。
- 学生が見学する術式で一時期とても多いものでした。あの方々が今も機能障害を抱えて苦しんでいると思うと申し訳ない気持ちでいっぱいです。
まとめ
アンケートに回答いただいた約7割の人は、LARSについて「あまり知らなかった」「まったく知らなかった」と回答していました。直腸がんにより肛門温存手術を受ける人が増加する中、術後に生じる排便障害症状について医療者にあまり知られていないことが分かりました。LARSについて理解を深めることで、直腸がんで人工肛門を造設せず肛門を温存する手術を受ける患者へのケアの必要性について納得できたようです。
引き続き、我々はLARSを体験している患者へのケアについて探究してまいります。
最後になりましたが、アンケートにご協力くださいました皆様へ、感謝申し上げます。
2022.12.22 佐藤正美